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過去の展覧会
奇想の国の麗人たち ~絵で見る日本のあやしい話~
日本人が長年語り続けてきた伝承文学を、その物語にまつわる絵画とともに紹介します。
昔話、伝説、古典などからは、民族の特性を読み解くことができるといいます。たとえば日本には、鳥や狐が人間に化けて嫁になったという話が多く伝えられていますが、他の国にはめったになく、ここに日本人の特質がありそうです。
また、日本では男性同性愛にまつわる話が古典文学の一角を占めているといっても過言ではありませんが、同性愛を罪とみなすキリスト教圏の人々から見ると、信じがたいことなのです。
挿絵や絵画とともに伝承文学を楽しみながら、日本の心に触れていただきます。
会 期 | 2020年10月31日(土)~2021年1月31日(日) ※入館にはオンラインによる事前予約(日時指定)が必要です。 |
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開館時間 | 午前10時30分~午後4時30分 (入館は4時までにお願いします) |
休 館 日 | 月・火曜日 ※ただし11/3(祝火)、11/23(祝月)、1/11(祝月)開館、 11/4(水)、年末年始(12/28~1/2)休館 |
料 金 | 一般1000円/大・高生 900円/中・小生500円 (竹久夢二美術館もご覧いただけます) |
お知らせ:
入館にはオンラインによる事前予約(日時指定)が必要となります
こちらをご一読頂き、ご予約をお願いいたします→「再開にあたりご来館のお客様へのお願い(オンラインによる事前予約 他)」
「葵」 御正伸/画 1981年 油彩 F100号 御正進/蔵 「源氏物語」の一場面。膝を折って首をかしげ、苦しそうな女性が「葵の上」、それを見下ろすのが六条御息所。光源氏の正妻・葵の上が懐妊したと知るや、嫉妬した御息所の身体から霊魂が遊離して、その生霊が葵をとり殺すのだが、彼女に殺した自覚はない。「無意識」という言葉すらなかった時代、すでに紫式部は人の心の怖い深淵を知っていたようだ。 |
「残霊」 御正伸/画 1975年 油彩 F120号 御正進/蔵 「霊魂」イコール「幽霊」と、現代人は思いがちだが、日本には時代により霊魂の流行り廃りがあった。本展では「霊魂の物語」というコーナーを設置し、古来の「御霊信仰」、平安時代になってからの「物の怪の横行」など、日本の霊魂の諸相を紹介。画像は、源氏により滅ぼされた平家の怨霊を描いた油絵。 |
「今昔物語」 田代光/画 1974年10月~1977年8月年『大法輪』連載 紙・墨 東京文化振興会/蔵 初公開 日本文学の母体ともいえる「今昔物語」を1970年代に活躍した画家・田代光の新発見挿絵原画とともに紹介。田代のたくみな筆が、好色で強欲な平安時代の庶民の息吹を、感じさせてくれる。 画像は約1200の短編から成る「今昔物語」の1編で、「旅先で男が女の寝ているところに忍び込んだが、帰ってくると、股間の物が失せていた」という話に添えられた挿絵。 |
「日高川」 加藤美紀/画 2020年(描きおろし 初公開) 紙・ガッシュ 作家蔵 「異類の怪」のコーナー「蛇」より。熊野参詣の旅をする安珍は美しい若僧で、彼に宿を貸した家の娘の清姫は、一目惚れして迫ったが、安珍は「熊野の帰りに」と偽って逃げた。だまされたと知った清姫は安珍を追ううち身体が蛇になる。時代により絵師により異なる表現を見比べるのも興味深い。画家・加藤は清姫の悲しみや絶望感も表現したかったと語る。 他に「狐」「魚」「雀」などにまつわるミラクルストーリーを、絵とともに紹介。 |